「意外とソラ様は余裕なんですね。領主様は既に出かけましたよ」催情
「慌ててもどうにもならないからな。お父様は教会に口添えを頼みに行ったんだろうが、無駄に終わって機嫌は最悪の状態で帰ってくるはずだから注意しろ」

 今頃は国軍に対して説明がなされているだろう。
 ソラは直接兵舎に出向いて募集する予定だが、効果は余り期待できない。
 クラインセルトの名がこの上なく足を引っ張っていた。

「もはや呪いだな……。」

 自重気味に呟いて、外を見た。腹が立つくらいの快晴に舌打ちをして食堂に向かう。

「リュリュでも連れて行くか?」

 若い美人を連れて行けば案外コロッと靡くかもしれない。
 そんな考えが透けて見える発言にラゼットが呆れる。

「あざといですね。見抜かれて余計に嫌われるか、騙された色魔が揃うか、賭けてみましょうか?」
「冗談さ。リュリュ達は俺にとっての虎の子だしな。簡単に御披露目するもんか」

 しかし、打つ手がないのも事実だ。弱みを握ったとしても士気が低くては話にならない。催情

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